一般財団法人日本サイバー犯罪対策センター JC3:Japan Cybercrime Control Center


サイバー攻撃に関する注意喚起について

2017年3月30日


 クローズドネットワーク環境のパソコンに保存された重要情報を窃取し得るサイバー攻撃の手口(USB情報窃取)が確認されました。
 ネットワーク管理者は、不正アクセスや情報漏洩のリスク低減を図るなど、早急に被害防止対策を実施することを推奨します。

USB情報窃取
警察庁セキュリティポータルサイト@policeから引用


  1. 情報窃取の手口について

  2.  企業等が保有する機密情報等の重要情報については、独立したクローズドネットワークで保存・運用する方法が普及しています。この度、このように外部と隔離されたネットワークに保存された情報であっても、インターネット接続された事務用ネットワークの端末と外部記録媒体(USBメモリ等)を用いて窃取することが可能となるサイバー攻撃の手口が確認されました。

    1. 攻撃者は、インターネット接続された事務用ネットワーク端末を不正プログラムに感染させる。
    2. 外部記録媒体(USBメモリ等)が感染端末(情報窃取用)のUSBポートに接続されると不正プログラムが自動起動し、外部記録媒体に保存されている情報の「ファイル一覧」を作成し、端末に保存する。
    3.  攻撃者は、インターネットを通じて「ファイル一覧」を取得し、「ファイル一覧」の中から窃取したい「標的ファイルリスト」を作成の上、感染端末(情報窃取用)に送信する。
    4.  感染端末(情報窃取用)の不正プログラムは、外部記録媒体に保存されている情報のうち「標的ファイルリスト」で指定されたファイルを圧縮して端末に保存する。
    5.  圧縮されたファイルは、事務用ネットワークの感染端末(情報集約/送信用)に送信される。社内に感染端末(情報窃取用)が複数存在する場合、各端末で保存された圧縮ファイルが感染端末(情報集約/送信用)に集約される。
    6.  感染端末(情報集約/送信用)の不正プログラムは、同圧縮ファイルを端末内で加工・細分化し、外部へ送信する。

  3. 推奨する対策

    1.  調査の一例

        パソコンの「C:\intel\logs」や「C:\Windows\system32」の下に、

      • 正規の実行ファイルに似た名前の実行ファイル(例:「intelUPD.exe」、「intelu.exe」、「IgfxService.exe」等)
      • 「interad.log」や「slog.log」といった不正なファイル
      • 使用していない「RAR」形式のファイル
       がないか確認してください。

       ※ 具体名は現在判明している一例であり、ファイル名やパスは異なる場合があります。

    2.  情報漏えい防止対策

      • 機密性が高い情報を扱うネットワークからデータを持ち出す際は、暗号化を行う。
      • インターネットに接続したネットワークにUSBメモリを接続し、当該データをメール等を利用し外部に送信する場合は、当該データを暗号化したままの状態で送信する。
      • USBメモリ内のデータは速やかに消去する。
      • 不要な端末間通信を無効にする。

  4. その他一般的な措置

  5.  プロキシログの監視、ファイアウォールの設定や侵入検知システム(IDS)、侵入予防システム(IPS)の導入、ウイルス対策、OSやアプリケーションの最新版への更新を行うとともに、脆弱性診断を定期的に行うなどの対策を実施してください。


<関連情報>


【警察庁セキュリティポータルサイト@police】