一般財団法人 日本サイバー犯罪対策センター JC3JC3 : Japan Cybercrime Control Center

JC3 Forum 2022

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JC3 Forum 2022 レポート

2022年3月4日、当法人が主催するフォーラムをオンラインで開催し、400名以上の方々に視聴していただきました。
「サイバー犯罪の特定・軽減・無効化」をテーマに、以下のご講演をいただきました。

開会のご挨拶

一般財団法人 日本サイバー犯罪対策センター
代表理事  堺 和宏

フォーラムにご参加いただいた皆様への御礼に続いて、サイバー犯罪に立ち向かう協働の輪を広げるためのJC3フォーラムの役割、多種多様のサイバー攻撃に対して様々な組織が協働していくことの重要性等について述べさせていただきました。

基調講演「技術流出問題と経済安全保障」

東京大学
教授 玉井 克哉 氏

技術流出と経済安全保障について、経済安全保障が注目されるようになった歴史的な経緯を踏まえながら、その必要性と情報流出の最近の事例をご説明いただくとともに、産・官・学がどう対応していくべきかについてご講演いただきました。
講演では、なぜ経済安全保障が重視されるようになったのかについてご説明いただいた後、技術情報流出について、技術情報そのものが流出する場合と先端人材が流出する場合に分けて、具体的な事例を基に各国でどのような対応がされてきたのかについてご説明いただきました。
また、日本が抱える課題について触れながら、日本政府・日本企業・日本の学術機関がどのような対応をしていくべきかについて議論していただきました。

講演「警察におけるサイバー犯罪対策とJC3との連携」

警察庁 生活安全局 情報技術犯罪対策課
課長 阿久津 正好 氏

サイバー犯罪をめぐる近年の情勢として、ランサムウェアの被害状況や犯罪者の手口、対応策についてご説明いただくとともに、その他のサイバー犯罪の発生や検挙の状況についてご説明いただきました。
また、民間事業者とも連携したフィッシング対策を題材として、警察とJC3が連携して行っている取組についてご紹介いただくとともに、警察庁におけるサイバー警察局設置の構想と今後の取組について概観いただきました。

講演「ランサムウェア犯行グループの実態を圧倒的に知り尽くす」

株式会社NTTデータ NTTDATA-CERT
エグゼクティブ・セキュリティ・アナリスト 新井 悠 氏

ランサムウェア犯行グループの実態について、ランサムウェアの手口の変遷から最近の特徴についてご紹介いただくとともに、最近の重要インフラ企業における被害事例等も交えながら、ランサムウェアグループへの今後の対策についてご講演いただきました。
講演では、ランサムウェアが悪質化・模倣を繰り返していった歴史に触れながら、Ransomware-as-a-Service (RaaS)/二重恐喝といった最近のランサムウェアグループの特徴についてご説明いただきました。
また、米国の石油パイプライン企業がランサムウェアの被害に遭った事例を交えながら、今般のランサムウェアグループへの対策として、ユーザーとデバイス単位で情報セキュリティを担保していくゼロトラストネットワーク等が重要となる旨をご説明いただきました。

講演「予想される近隣国からの脅威と人材育成戦略」

株式会社サイント
代表取締役 岩井 博樹 氏

近年の諸外国におけるサイバー脅威主体における人材育成の動向に加え、ロシア・ウクライナ戦争において観測されたサイバー空間上の動向と、そこから得られる示唆についてご紹介いただきました。
講演では、諸外国においてどのような人材育成戦略が取られているか、具体例と共にご紹介いただくとともに、各種資料から読み取れる各国の課題についてご議論いただきました。
また、ロシア・ウクライナ戦争において観測された様々なサイバー空間上の活動と、それらが戦争に与えた影響について解説いただき、将来的にどのような示唆が得られるのかについてご説明いただきました。

パネルディスカッション「金融犯罪対策における不正取引検知へのAI活用」

株式会社ラック 金融犯罪対策センター
センター長 小森 美武 氏

金融犯罪の不正取引検知におけるAIの活用について、概念実証実験(PoC)での具体的な事例を交えながらご講演いただきました。
講演では、AIが対象とする金融犯罪の手口やその被害実態についてご説明いただいた後、AIによる不正取引検知のPoCについて、その課題と解決策、実際の検証の流れについてご紹介いただきました。
また、今後の展開として、今回のPoCで対象とした犯罪手口以外への応用についても視野に入れて取組を進めている旨をご解説いただきました。

講演「国産ベンダーとしてのセキュリティ対策の取り組み」

株式会社ソリトンシステムズ ITセキュリティ事業部
エバンジェリスト 荒木 粧子 氏

国産のセキュリティ製品を扱うベンダーとしての立場から、日本のセキュリティ対策における課題と、製品ベンダーとしての取組についてご講演いただきました。
講演では、製品ベンダーの立場から見たセキュリティ対策の課題として、サイバー攻撃対策におけるベンダーとユーザーとの間の役割分担や情報公開を挙げながら、実際の現場で聞こえる声等も交えながらご説明いただきました。
また、そうした課題も踏まえた製品ベンダーとしての取組として、製品におけるセキュリティ対策や既存のシステムにおけるセキュリティの強化についてご紹介いただきました。

活動報告「JC3と官民連携について」

一般財団法人 日本サイバー犯罪対策センター
業務執行理事  島根 悟

JC3の活動について、フィッシングに端を発する不正送金の手口に対する対策について具体例とともに紹介するのに加え、近時のサイバー犯罪対策としての官民連携の重要性等について述べさせていただきました。


※ご講演者の所属、役職はフォーラム開催時のものです。

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