一般財団法人 日本サイバー犯罪対策センター JC3JC3 : Japan Cybercrime Control Center

脅威情報

  1. TOP
  2. 脅威情報
  3. トピックス
  4. JC3コラム ーサポート詐欺編(2)
公開日:
2021.11.26

JC3コラム ーサポート詐欺編(2)

第2話 日本フリーダイヤル?

前回はテクニカルサポート詐欺サイトに遭遇してしまったときの話を紹介しました。出会ったとしても、ブラウザを終了させれば何も心配ありません。嫌がらせの目的で作られ、人の気分を害し、弱みに付け込んでくるいやなサイトです、遭遇したことを話のネタにして笑い飛ばしましょう。

ところが、これらのテクニカルサポート詐欺サイトも、悪い人たちがよく考えて作ったサイトです。本物のウイルス感染と勘違いさせ「対策しなきゃ」と思わせるように工夫されています。音声ではコールセンターに電話を掛けろとしつこく言うし、画面に表示されている情報は電話番号しかなく、メールやチャットでの問合わせはできないようになっています。電話しなきゃと考えることは自然でしょう。実にいやらしい仕組みになっています。

JC3で観測されたサポート詐欺サイトで、電話番号が表示されている部分を画像で見てみましょう。

050で始まる電話番号が表示されています。日本フリーダイヤルだとか書いてありますが、050って無料だっけ?と気が付いて胡散臭いよなあと思ってほしいところです。日本では0120と0800で始まる番号だけです。ただ、050で始まる番号は色々な用途で使われているので、もしかしたら無料かも?と思っても不思議はありません。

サポート詐欺サイトに電話を掛けるとどうなる?

さて、この電話番号に電話を掛けるとどうなるのでしょうか?表示された電話番号に電話をかけると、マイクロソフトやそのほか技術系の会社のコールセンターのスタッフを名乗る人物が出てきます。男性のときもあれば女性のときもあり、複数人でコールセンターを運用しているようで、ジョン・スズキ、ジョン・ピーターソン、マイク・スミス、メリー・ミラーなどの名前が使われたことがあるようです。また、アップルのアラートが出たと言えばアップルのスタッフだと名乗りますから、その辺りは柔軟なのでしょう。日本語を話しますが、ネイティブではないようです。最近では世界中にコールセンターがありますので、片言の日本語で対応されても、それほどおかしくはありません。

ウイルスに感染したと画面に表示され、電話するように書いてあったので電話を掛けたとスタッフを名乗る人物に伝えると、彼らは、「お客様、それはウイルスに感染してしまったせいですよ」とか、「ハッカーに侵入されてしまったせいですよ」とか、色々と物騒な理由を説明してくれます。また、「あなたスケベなサイトを見たでしょ、そのせいですよ」とか、余計なお世話に思われることを言ってくることもあります。実際、アダルトサイトに置かれている広告から転送されるケースも多く、心当たりのある人に鎌を掛けてきているようです。人の弱みに付け込む卑劣な行為ですね。

サポート詐欺サイトに電話を掛けてしまったら

この時点では、フリーダイヤルではない番号に電話を掛けているので、電話代は掛かってしまいますが、パソコンには何もされていませんので、電話の内容に胡散臭さを感じたら、「あ、わかりました、もう結構です」とでも言って電話を切ってしまえば、被害は電話代だけで済みます。非通知で電話を掛けていない場合は、追って電話が掛かってくることもあるようですが、無視してブロックしましょう。海外の電話番号から掛かってくることもあるようです。場合によっては、海外通話で高額の電話代を請求されてしまう可能性もあります。

もしもここで、電話を切らずに話を続けてしまったらどうなるかは次回に。

今日のテクニカルサポート詐欺サイト

関連リンク

ページの先頭へ