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公開日:
2021.12.10

JC3コラム ーサポート詐欺編(4)

第4話 お支払いは?

前回はテクニカルサポート詐欺のコールセンターに電話を掛けてしまい、偽の「調査」のためと騙されて、リモートアクセスを許可させられてしまうお話をしました。

そうしてやり取りを続けると、警告画面が消えて、パソコンの問題が解決したと思わされてしまいます。そして一安心しているところに、相手は今度、定期的なサービスの契約を持ちかけてきます。気持ちの隙を狙った悪質な行為です。

詐欺のお値段

テクニカルサポート詐欺のコールセンターから最初に要求されるサポートには、3年、5年、永久保証など期間が色々あるだけでなく、サービスの値段についても、3万5000円、5万円、7万円などバラエティがあるようです。私は、コールセンターごとに詐欺のマニュアルがあり、金額が決まっているのではないかと推測しています。また、この金額は、一般の人が払おうと思えば払えるところを狙っているように思われます。なぜならば、まったく手が出ない金額であれば「結構です」と電話を切られてしまい、1円にもならないためです。騙される側との間で契約の折り合いが着くと、支払い手段として、「Google Playカード」や「iTunesカード」のようなギフトカード(ICカードやプリペイドカードとも表記されます)が主に指定されます。過去にはクレジットカードなども使われていたようですが、現在の主流はギフトカードです。

ギフトカードは、コンビニエンスストアなどで購入可能です。カードに記載されている番号をスマートフォンに入力することで、スマホアプリそのものやアプリ内で使われる通貨の購入など、様々な支払いに使用できるようになります。もちろんクレジットカードがあると支払いには便利ですが、クレジットカードを持っていない場合や、何らかの理由でクレジットカード番号を登録したくない場合などにも気軽に使える手段です。お金さえあれば、名前や住所などの本人確認も不要で購入しやすいのもメリットです。残念ながら、これは犯罪者にとってもメリットになります。

コールセンターのスタッフからは「コンビニエンスストアでギフトカードを購入し、電話で番号を伝えてください」と言われます。電話を掛けたまま、「待ってます」「分からなかったら質問してください」などと、こちらのことを心配している素振りさえ見せます。もちろん、電話を切られ正気に戻られたら困るからです。また、「コンビニで詐欺ではないかなどと言われる可能性があるかもしれないが、サービスの購入だというように」とも指示されます。これは、コンビニでの詐欺被害防止のための声かけ対応を熟知した上でやっているので、実にいやらしいですね。

終わらない

ギフトカードの購入後、番号を伝えるとそれで終わり、となることはなく、まだ続いてしまいます。「番号が間違えていた」、「ゼロとオーが間違えていた」などという理由で、「別のカードを買ってきてほしい、お金は後で戻ってくる」と言われます。iTunesカードを要求された例では、「コロナ禍でAppleのサポートセンターが開いておらず換金できなかった、代わりにGoogle Playカードを買ってきてほしい、お金は後で戻る」と言われることもあったようです。ニュース記事などで取り上げられた被害者の方の証言によると、ここで変だなと思い、詐欺と気が付く人も多いようです。このように早く気づけば、被害は5万円くらいですので「警察に相談することで、詳細を知られたくない、家族にばれたくない」などといった理由で、高い勉強代だと考えて諦め、警察に被害申告をしないケースも多いようです。大ごとにしたくない、されたくない心理を突いた金額設定が有効に働いてしまっているところが何とももどかしく思います。

終われない

残念ながら、なかなか詐欺だと気づけない人も当然ながら居ます。再度ギフトカードを購入し、電話で相手にギフトカードの番号を伝えます。またも適当な理由でサポート詐欺の電話相手から「番号が間違えていた、新しいカードを買ってきてほしい」と言われます。「同じお店だと怪しまれるかもしれないので別のお店で買え」と指示されることもあるようです。これが繰り返しに繰り返され、積もりに積もって数百万円にまで金額が上ることもあります。どこかで気が付いてほしいところですが、勢いがついてしまい、また金額が金額なので誰にも相談できず、止めるに止められないのでしょう。

対策は?

この時点での対策は、ギフトカードを買わないことしかありません。サポート詐欺の事例や手口が都道府県警察からコンビニなどに伝えられ、店員さんのファインプレーにより被害を免れた例も多数あります。そういった事例の一つが、マイクロソフトの記事でも紹介されています。

ところが、「金額が大きいですよ、詐欺ではないですか?」と店員さんが伝えたとしても、被害者であるお客さんが詐欺ではないと言い張れば、それ以上の対応は残念ながら望めません。番号を伝えてしまった後は、コールセンターのスタッフがギフトカードの番号を使う前に自分で利用するか、すでに使われてしまった場合は各ギフトカードのサポート窓口に問い合わせて対応してもらうしかありません。後者は必ずしも返金できるとは限らないため、やはり、必要のないギフトカードの購入はしないでください。

テクニカルサポート詐欺のまとめ

4回に渡り、テクニカルサポート詐欺について少し詳しく書いてみました。
 1. テクニカルサポート詐欺という種類の詐欺があり、誰でも遭遇する可能性があること。
 2. 偽のコールセンターに電話を掛けても問題は解決しないこと。
を理解することが重要です。もし、テクニカルサポート詐欺を知らなさそうな人が身近にいたら、この詐欺について教えてあげてください。各コラムにある動画を一緒に見せていただくと効果的です。2週間程度、間をあけた後にもう一度見せていただくと、より免疫がつくと思います。被害拡大防止のためのご協力をよろしくお願いします。

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